• テキストサイズ

voice【気象系BL】

第2章 復活♡LOVE



今日は電車で家に帰る。

いつもは仕事帰りの会社員のおっさんで
埋まってる席だけど、
今日はなぜかいくつか空きがあって。

目の前に空いてた席に座って、
電車が最寄りに着くのを待ってたけど。

珍しく座ってることで
心地いい電車の揺れが直に伝わってくると、
だんだん眠くなってきて。

すっかり居眠りを始めた俺は、
知らず知らずのうちに最寄りを過ぎていた。


隣に座ってた人が立ち上がった反動で
ふと目が覚めると、次の駅は…、

大野さんちの目の前の駅だった。


まだ大野さんちに戻るつもりはなかったけど、
ここで降りないと
次は帰れるようなところもないし。

意を決して、荷物をもって
電車を降りる。

でも、未だ“帰りたい”という俺を
全力で引き止めてるもう1人の俺は
根強く居座ってて。

何食わぬ顔して大野さんの家に
帰れなんかしないと思った俺は、
まずは大野さんのパン屋に行くことにした。


「いらっしゃいませー。」

ちょっと久しぶりの、懐かしい匂い。

レジにいたのは、大野さんではなくて
顔なじみのバイトの女の子、だった。


入るだけ入って何も買わないのも
なんか失礼だから、
あのメロンパンをトレーに乗せて
レジに向かう。



レジにトレーを置いた瞬間、
バイトの女の子が発した第一声は、

「二宮さん。
 店長、ずっと待ってましたよ?」

この言葉だった。
/ 52ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp