第2章 復活♡LOVE
──あれから3日。
俺はまだ、大野さんちに
帰れずにいる。
某無料通話アプリのメッセージ、
インターネットメール、
ショートメール…、
沢山のメッセージは来てるのに、
どれも見れない。返せない。
だけど消せない。
──そしてまた、今日も
舞台稽古に専念する。
演じてる間だけでも、忘れられるから。
先輩には
「最近集中してるな」
ってほめられたり、
次の舞台の主役ももらえたりした。
でも──。
「今度の舞台、主役もらってさ。」
「よかったね!」
…って、喜びを一番に
分かち合ってくれる人がいない。
──やっぱり、帰りたい。
そう思うことは、何度もあった。
でも、その一歩が踏み出せなくて。
“どんな顔して戻ればいい?”
“大野さんは本当に俺を待ってるの?”
そんな疑問ばかりが頭をよぎる。
俺が、後先考えずに直感で動ける、
“当たって砕けろ”タイプの
幼なじみみたいな性格だったら
違ったのかな。
つい、理屈が前に出る。
“大野さんに会いたい”
そんな自分が、
“本当に大野さんは
俺に会いたいと思ってるの?”
そう思ってるもう一人の自分に
全力で引き留められちゃってる、
そんな感じ。