第2章 復活♡LOVE
俺と大野さんが“恋人同士”に
なったのは、そこから。
絶対、もともと少ない
俺の友達の中でも、
誰とも違うタイプの人間だった
大野さんだけど。
大野さんみたいな人が
俺にはピッタリだったのかも。
──なのに。
なんで俺、こんなことしてるんだろう。
でも、今さら戻れなくて…。
本当は、少しでも早く
大野さんのところに戻りたかった。
寂しかったからとか俺は子供かって…。
大野さんが仕事から帰ってきたところに、
すれ違うようにして飛び出してきた。
大野さんは何も悪くないのに。
きっとあの大野さんのことだから、
自分を責めてると思う。
それなのに、当分戻れそうにない、俺…。
ごめんね、大野さん。
こんな雨なのに、傘さえ持たずに
飛び出してきて。
持ってきたのも、
ジーンズのポケットに入ってた、
財布とスマホだけ。
とりあえず、たまたま
目の前に止まってたタクシーに乗る。
告げた行き先は、
大野さんと一緒に住む前に
一人暮らししてたマンション。
まだ引き払ってなかったから、
時々空気の入れ替えとか
掃除とかをしながら、
物置代わりに使ってた家。
気持ちの整理がつくまでは
そこにいることにする。
乗ったタクシーが、
水しぶきを上げながら
大野さんちを遠ざかってゆく。