第6章 A×S【愛くるしい】
何度謝っても、足りない。
その分、今頃、
何度好きと言っても、足りない。
「好き、雅紀、好きだよ…。
ずっとずっと、ほんとにずっと…」
「うんっ…俺も、翔ちゃんが好き…
もう押さえらんないくらい好きだよ…。
だから、心配になっちゃっただけで…。」
雅紀の体をキツく抱き締めると、
雅紀の大切さが染み渡る。
…俺、こんなにも好きだったんだ。
ひさびさに見た、
雅紀の弱いところ。
守ってあげたいと、
そう思った。
それと同時に、
俺は大事に出来ていなかったと
後悔をしている。
「…ねぇ、翔ちゃん…」
コーヒーを飲み終わった雅紀が
俺を抱き寄せて、キスをする。
「うん?どうした?」
雅紀に微笑みかけると、
首筋に顔を埋められた。
「ふふ、どーしたの?」
「…甘えたくなっただけ。」
「…ふふ、うん。
たくさん甘えてよ。」
こんなボロボロになるまで、
俺のこと考えてくれてたんだ。
もっとたくさん、
頼ってよ。甘えてよ。
俺、ちゃんと雅紀のこと
考えるから。