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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第6章 A×S【愛くるしい】







行けるところまで
近付いたって
俺達の距離は一向に変わらない。

セックスしたって同じだ。


「俺、先帰るわ」


収録が終わったあと、
俺の顔なんか見ないで
そそくさと帰ろうとする翔ちゃん。


…待ってよ。


俺から離れていくその背中に
ゆっくりと手を伸ばした。


「好き」なんて気持ちで
もう苦しみたくない。


「…雅紀?」

「翔ちゃんっ…」


俺の胸の中の
「好き」って気持ちも、
「愛してる」って気持ちも、全部…

翔ちゃんを待ってるんだよ。


俺のこの気持ちを受け取って欲しいのは、
翔ちゃんだけなんだよ。


そんな困った顔、しないでよ…

俺のこと、もっとちゃんと見てよ…。

そうやって、
俺から逃げるのは…


違う。


もう逃げるのは、
お互いやめよう?



「雅紀?」

「…翔ちゃん、好きだよ。」

「っ、あぁ、俺もだよ。
俺も好きだよ。」

「ほんと…?」

「嘘なんかじゃないよ…。
雅紀に嘘つくわけないだろ?」


よしよしって俺より背丈の低い
翔ちゃんに頭を撫でられて、
瞳から熱いモノがポロっと零れた。




…あー。

これだ。



俺が求めていたのは、
これだったんだ。
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