第6章 A×S【愛くるしい】
「やり過ぎちゃったかな…。」
調子に乗って、
あのあと何発もしてしまった。
隣ですやすやと眠る
翔ちゃんを見ていたら
申し訳なくなった気持ちと同時に、
また独占欲がふつふつと沸いてきた。
あぁ、押さえ切れない。
何度翔ちゃんから好きって言われても、
完全には信じられない。
「…俺はこんなにも好きなのに…」
俺の気持ち、伝わってんのかな。
曖昧で、ぼんやりとしている。
翔ちゃんへの気持ちが
確かなのはわかっている。
…だけど、
翔ちゃんはそんな俺を見て、
どう思ってんの?
俺、自惚れてる?
ガキみたいで自己中な
野性的なセックスしかできない俺を、
どう思ってんの?
嫌い?
それともまだ好きでいてくれる?
こんな俺のこと、
愛してくれる────?
「……好きだよ。」
翔ちゃんの前髪を梳くと、
心地よさそうに瞑った目が
余計に細くなる。
「……好きだよ。
翔ちゃんが好き…」
何度言っても、
言い足りないんだ。
貪欲で強欲な俺は、
どうしたらいい───?