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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第4章 S×O【紡ぐ】







初めてキスなんてした。

されたこともしたことも
俺にはなかったから。


櫻井くんの方を見たら、
顔が真っ赤になってた。



「ちょ……、急にはないでしょ。」

「だって、ずーーーっと
したかったんだもん…。」



俺がしょんぼりとしてみたら、
慌てて俺を抱き締める櫻井くん。


「ご、ごめん。
俺もしたかった。

ただ、急にだったから
心の準備ができてなくて…。」



なんて、言う。


案外可愛いとこあるんだな、
とか思いながらも、

あー、学校サボっちゃった、
っていう罪悪感。



「櫻井くんはいいの?学校。」

「あー……まあ、ね。」



俺たちがそんな会話してたら、
櫻井くんの携帯が鳴った。


「あ、もしもし?」



櫻井くんはその人と親しげに
会話を交わす。


…そりゃそうだよね。

俺とは今日知り合ったんだから。
全然知らない人。


名前だって、ついさっき
知ったばかりの関係なんだから。


「だから、明日にはいくから。
先生に言っといて。

…あぁ、うん。
じゃあな。


…大野くん?」

「…ん?」

「どうした?」

「なにが?」



無理に笑顔を作ってみても、
櫻井くんには気付かれちゃって。


「無理しないでね。
眠いの?」

「いや、別に…」

「別にって顔してないじゃん。
なんかあったら言って?」



嫉妬してました、
なんて簡単に言えない。


「…と、した。」

「…ん?」

「しっ、と、したの…。」

「嫉妬?」



うんって俺が頷くと、
可愛いねって頭を撫でる。
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