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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第4章 S×O【紡ぐ】







八時七分。




今日もこの時間の電車に乗る。
本当はもう一本遅くても
なんとか間に合うんだけど。


貴方に会いたいから、
自転車を駅までぶっ飛ばす。



…わかってる。

気になってるのは
俺だけなんだって。


貴方の眼中には、
いつもいつも、俺は映ってない。

…だけど、今日は違う。



ほんの一瞬だった。
本当に一瞬。


貴方と目が合った。



「…っ」



びっくりして、
すぐに目を逸らした。

印象、
悪くなっちゃったかな…。


ちらっと貴方の方を見ると、
いつもと変わらぬ雰囲気。

さっきの俺の行動なんて、
気にもしてない。


気にしてるのは俺だけ。



そう思うと、
なんだか恥ずかしくなる。



「…櫻井?」

「ん?」

「お前、わっかりやすいなぁ…。」



…バレた。


かもしれない。




「…引く?」

「いーえ。別に。」

「…マジ?」



俺だったら普通引くけど。



「俺、男が好きなとき、
あったし。

…んー、今も好き。
彼氏、いるし。」

「はぁ!?!?」




親友からの衝撃発言。

マジか。

全然気付かなかった。



「電車だから、
静かにしなよ…」

「わ、わりぃ…」



周囲の人に頭を下げて、
視線を貴方に移した。


そしたら、また目が合った。

俺を見ると、
はにかんだような微笑みを見せた。



…櫻井翔、
もうこの恋から逃げ出せません。



「あ、着いたよ?」

「おうっ」



二宮の小さな背中を追い掛けて、
改札を通り抜ける。


ラッキーなことに、
貴方は隣の改札を通り抜けた。



いい匂いと、ふわふわの髪。



…ドストライク。




「櫻井、早く!」

「あ、ごめんごめん。」



貴方の背中を目で追いかけながら、
二宮の後を追う。


…やっぱり狭い路地裏に向かう。



…なんだろう。

気になるんだ。
貴方のコトが。
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