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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第4章 S×O【紡ぐ】







十八時五十七分。




今日は貴方がいない。

いつもこの電車に乗るのに。


…部活、とか。
…友達、とか。


わかってる。

だって俺は、


別に家族でも友達でも
恋人でもない、

赤の他人。


プライバシーってもんがある。


貴方のコトを
詮索ばっかしてないで、

俺は勉強に専念しますよ。



二宮は野球部で
練習が長引いてるらしい。


………あ、いた。




女の子と楽しそうに話ながら、
改札を通り抜けてくる姿。

扉が閉まるギリギリに
貴方は入ってきた。


…いい。別に。


だって、恋人くらいいても
おかしくない。



…でも、こんなときに限って
隣にいる。

目を瞑りながら、
リズムをとってる。


…意外と、軽音部だったりする?



そんなこと考えてるうちに、
もう貴方の降りる駅。


貴方の小さな背中を見つめながら、
明日も会えたらいいな、なんて
考えてしまう。




「…あー、だりぃ。」



帰り道、石ころを蹴った。

かんっと音を立てて
ガードレールにぶつかる。


閑静な住宅街。


そんな言葉がぴったり。


昨日の夜も、
きっと貴方のコトを考える。


そして、貴方の夢を見て。


名前も知らない、声も知らない、
貴方の夢をみる。



夢でもいいから、
貴方の声が聴きたい。
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