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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第3章 A×N【俺の愛のscale】







いつもより早く講義が
終わったからいつもの
正面玄関で待っていた。


……遅いなあ。


腕時計を見ると、
いつもより一時間も遅い。


「…なんかあったのかな。」


にのになんかあったら…。
俺、どうしたらいいのかな。

でも、ここから
動くわけには行かなくて。


「相葉くんっ!ごめん!
遅くなっちゃった…。」


息を切らしながら、
にのが近寄ってきた。


「大丈夫だから。」

「ごめんね…。」


しょんぼりと凹むにのが
なんだかいじらしくて。

思いっきり抱き締めてた。


「わ、苦し…」

「ご、ごめんっ」


にのはもーって
俺の背中を叩いた。

…痛くなかったけど。


「相葉くん、帰ろ。」

「うん。」


にののちっちゃい手を握り締めて
真っ暗になった街を歩いた。


にのは楽しそうに
今日の出来事を
話してくれた。

そんなにのの話が
俺は大好き。


なんだか…懐かしい気持ちになる。


「…にの、もー…。」

「わわっ、なあに?」


にのの首筋に顔を埋めて
抱き締める。

にのは「なんだよぅ」って
笑っている。


なんだか、甘えたくなった。
どうしようもなく
甘えたくなってしまった。


「…相葉くん、帰ろうよ。」

「やだぁ…。」


俺はにのの華奢な肩を
力一杯抱き締めた。


脆くて、崩れてしまいそう。
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