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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第7章 S×N【Melt.】







「お邪魔しまーす。」

「はーい。」


殺風景な部屋。

翔さんが来るってわかってたら、
もっと綺麗にしてたのに。


なんて。

俺は彼女か。…いや、彼女だ。


自分でも滑稽だと思う。

鼻で笑いたくなる。


好きな人のために
頑張る女の気持ち。


これが全くと言っていいほど、
俺にはわからなかった。


…そうか。

そういうことだったのか。


「麦茶でいいー?」

「なんでもいいよ。」

「そういうこと言うと
水道水にするけど。」

「…麦茶でお願いします。」

「はーい。」


外は少し暑かったから、
氷をふたつ。

あまり使っていないコップを
丁寧に洗ってから、麦茶を注ぐ。


「はい、どーぞ。」

「ん、ありがと。」


にこりと優しく柔らかい笑顔。


この笑顔も全部、
独占できるんだ。

これからも、ずっと。


「あ、そうそう。」

「ん?」

「翔さん、
オムライス好きだったっけ。」

「昔の話な笑」

「えー、今は?」

「…和也が作ってくれるなら、
食べてやってもいいけど…?」

「…くふ、素直じゃないなぁ。」

「お前よりはマシだと
思ってるけどね。」

「…はいはい。」


図星だ。

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