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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第7章 S×N【Melt.】







ぐにゃり、と視界が歪むのがわかる。


…あー俺、泣いてんだって。

意識したら恥ずかしなって、
和也に見られないように
抱き締めていた。


苦しいよ、なんて言うけど、
きっと今すごく笑顔なんだろう。


「好きだ。」


俺の声は、ひどく震えたいた。

さっきよりも、ずっと。


柔らかい和也の髪が、
頬に当たる。

擽ったい、でも、嬉しい。

全部、俺のものなんだと思うと、
余計に独占欲が増す。


「…もうあのアプリ、
ちゃんと消せよな…」

「ふふ、わかった。
…俺翔さんいればいいから…」

「当たり前…俺以外のヤツと寝たら
マジ許さねぇから。」

「くふ、わかってるよ、それくらい。
翔さんだって、会社の若い女の子とか
口説いたらほんと別れるから。」


…んなの、したことねーわ。


「つうかお前、
マンガ読みすぎだろ。」

「えー、なんでー?」

「社内で口説くとか、
あるわけねーだろ。
新卒がそんなことして
たまるかっての…」

「くふ、知ってた。」


…あーもう、
いい意味で憎たらしいわ。

和也の首筋に顔を埋め、
ただただ嗚咽を洩らした。
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