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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第7章 S×N【Melt.】







約束より10分早く着いた
駅前の時計台の下。

…まだ来てないっぽいな。


…いや、あれか…?

時間を気にしているようで、
腕時計をチラチラ見てる。


…つーか。

後ろ姿超イケメン。



「あっ、あの…さくら、さんですか…?」

「…え?」


恐る恐る、話しかけて見れば
すぐに顔を上げて俺を見つめる彼。

…やば、人違い…?


「…あぁ、ニノさんですかっ…て、」

「────っ!!」


コイツっ…


「なんでお前がいんの。
和也…?は?」

「いや…こっちのセリフ…」


まさか。

まさか待ち合わせをしていたヤツが
近所に住んでるよく面倒見てもらう
翔さんだなんて…

ふたりとも、
ただ呆然と立ち尽くしていた。


「…え、さくらさんが、
翔、さん…てこと?」

「は?どういうことお前。
説明しろよ。」

「いや、そっちこそ!」

「つうかお前、
猫被りすぎだろ!

なんだよ、この、
『寂しがり屋だから
手とか繋いでくれると嬉しいです。』
って!」

「声に出して読むなあああっ!!」


…も、なんなんだよ…

なんで翔さんなんかと、
デートしなくちゃならないんだよ…


「…まあいいんだけどさ。」

「っは?」

「俺は別に、和也でも
いいってこと。
……お前が嫌なら帰るけど」

「っ別に、嫌とか、ゆってないし!」

「じゃあ、デートってことでいいの?」

「えっ……」

「ラブホとか、行っちゃうよ?
いいの?」

「っ、それは、気が、向いたら…」

「ふーん…」


じゃあ行こ。って
急に手を掴まれる。


…あれ。

翔さんって、
こんなに背中広かったっけな…

手も…大きく、なってる…


とくん、

と胸が脈打っ……

って!!

どうせ、今日限りなんだから、
翔さんなんかに恋しても、
意味ないし…

てゆーか、翔さん相手に
恋なんてしてないし!!
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