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Bitter Sweet【気象系BL小説】

第7章 S×N【Melt.】


二宮side



(寂しいな…)


そう思ったのは、
ついさっきのことだった。

何もなかった19年間。

顔も友達も成績もそこそこ。

彼女は生まれてこのかたなし。

平凡な人生に文句なんてないけど。


俺だって無感情のロボットと違うから、
寂しいとかは思うわけで。


出合い系のアプリを
インストールしたのは
ほんの数分前。

さっきから鳴り止まない通知に
軽くビビってる。

…今の時代は、
女の方が肉食とか言うけど、
ほんとにそうかもしれない…。


だが、しかしだ。

生憎俺は、女には興味無い。

所謂、同性愛者だからだ。


何人かはピックアップしたけど、
この時間、しかも大学生にとっちゃ休日。

会えるヤツなんて、
あんましいない。

…そう思ってたけど、
探せばいるもんだ。


(…コイツ、俺と住んでるとこ
結構近いじゃん。)

案外簡単に相手は捕まる。


『今から会えない?』


そう送ってみれば、
すぐに返ってくる。


『いいよ。
どこで待ち合わせする?』


…マジか。

コイツ、危機感とかないのか…?
いや、それは俺もだけど…


『駅前とかどう?
11時に待ち合わせね。』

『服装は?』

『グレーのパーカーにジーンズ。』

『わかった。
俺はテーラードジャケットに
黒のタイトパンツ履いてるから。』


…オシャレかよ。

そう思いつつも、
俺も髪型だけはヤケに
カッコつけちゃってる。

普段はあまり使わない
ワックスなんて使っちゃったりして。
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