第6章 A×S【愛くるしい】
形だけの行為なんかじゃない。
気持ちだってそれなりだ。
今なら、それも十分に。
「っは、ぁ…」
(想像以上にやベーなこれ…。)
抽送される雅紀自身を腹に感じて、
俺は喘ぐこともできずに
ただひたすら息を整えるだけ。
痛い、辛い。
そんなことは口に出せなかった。
自分から誘ったのだから。
でも、俺はすぐに顔に出る。
「…痛い?止める?」
雅紀の優しさに、
俺は甘えてばかりだ。
大丈夫、と言うと
すぐにまた再開される動き。
…このドSめ…。
なんて、心の隅の方では思っていたが
結局俺は雅紀が好きだ。
「翔ちゃん、すごいえっちな顔してる…
ふふ、可愛いね。」
「はっ、ぁあっ…」
雅紀の声が、指が、舌が、すべてが。
あれもこれもすべて、
愛おしい。
すべて俺のものにしたい。
俺だけのものにしたい。
体だけじゃなくて、
心もすべて俺だけのものに───