第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)
「おい。顔上げろよ」
「ん〜…」
「何駄々捏ねてんだ。眠いのか」
眠いというか、体が凄くダルい。
それもそうだよね…だって、意識がトぶまで抱かれたんだから。
初めてユウに抱かれた時も最後は意識を飛ばしたけど、でもあれは寝不足からの寝落ちなだけで。
こんな、快楽で意識がトんだことなんて今までない。
というか…男の体って体力的には便利でも、快楽には不便、だ。
だって女の時と比較にならないくらい、立て続けに責められるときつい。
そんなぽんぽん射精なんかできないって言うのに、ユウがぽんぽんさせようとするから。
…結局何回イったのか、最後は記憶も曖昧で憶えてない。
「声も少し枯れてんぞ。水飲め」
「………」
ちゃぷりと微かな水音が響く。
少しだけ顔を上げれば、ベッドを下りたユウが水の入ったコップを差し出してくれていた。
…何その優しさ。
そんな優しさで絆されないんだからね。
まぁ、水はあり難く頂くけど。
「…ありがと」
「起きて飲めよ。零すぞ」
「…起きられない。お尻、痛い」
「………」
座るなんて無理。
目線を逸してぼそりと告げれば、沈黙が生まれる。
…ユウ、どんな顔してるのかな。
もしかして罪悪感とか───
「平気だろ。そのうち痛みも退く」
「わあ他人事!」
期待して向けた目線の先には、すんごく血色の良い真顔のユウがいた。
めっちゃお肌つやつや。
何そのすっきりした顔なんかいらっとする。
「他人事じゃねぇよ。ちゃんと後処理もしておいた」
「は?…何…後処理って…」
待って嫌な予感がする。
顔を青くする私に構わず、コップにストローを差しながら再度差し出したユウの手が、もう一つ差し出したもの。
「痛み止め。塗っておいた」
「うわぁああ!」
お肌に優しい☆赤ちゃん用軟膏
「何大声上げてんだ、声枯れてるつってんだろ」
「何勝手に人のお尻ケアしてんの…!私は貴方の赤ん坊ですか!」
ただでさえお尻弄られることに抵抗があったのに!
気絶している間にもあれこれ見られて弄られたってこと!?
恥ずか死ぬ!
「今更だろ、煩ぇな。お前の体で見てねぇモンなんてもうねぇよ」
「だからって何度も見ていいもんじゃない!何かが減る!私の心の何かが擦り減る!」
大ダメージです!