第15章 Ⓡ◆Boy meets Boy!(神田)
「お腹くる、し…ァ、ふあ…ッ!」
「苦しいだけじゃ、ねぇだろ…っ?雪…っ」
熱のこもった声で耳元に吹き込まれる。
名を呼ばれるだけで体は熱さを増した。
苦しさはあるが、神田の言う通りそれだけではない。
一突きされる度にずくりと熱が溜まる。
「思い出せ。ここ擦られて熱くなっただろ」
「ぁッ…ぅ、あ…ッ」
吹き込まれる声の一つ一つに、またずくりと熱が溜まる。
「も、ちイイ…」
「っ…はっきり」
「気持ち、い…ッ」
気付けば催促されるがまま、口は勝手に告げていた。
認めてしまえば心が体と同じところまで堕ちていく。
ずくずくと疼く熱に呑まれていく。
それは確かな快楽の波だった。
揺さぶられるままに嬌声も上がる。
どうにか背後の神田に縋るように首を捻れば、応えるように口付けられた。
甘い蜜と汗と精液が入り混じった濃厚な空気の中で、性感帯にさせられた蕾の中を容赦なく貫かれる。
擦り上げられるよりも引き抜かれる感覚に、腰はぞわりと粟立ち波の気配がやってくる。
「ユ…っん、ふ…ッ(も、イきそ…ッ)」
口付けの合間に切羽詰まる声が漏れる。
不慣れなはずなのに強制的に押し上げらる快楽は、時として暴力のようだ。
早くその波に浚われてしまいたくて、溜まった熱を解放したくて。
気付けば右手は、とろとろに蕩けきった自身へと伸びていた。
「んぁッ」
「前はまだつったろ」
しかし見抜かれたように神田の手が雪自身を包むと、触れることを阻止された。
「や、欲し…もう、きつくない、から…ッ」
それよりも後ろだけ責め立てられる快楽の方が苦しいのだ。
早く高みに昇れるだけの決定打が欲しい。
涙の滲む目で懇願する雪に、うっかり扱きそうになる手を神田はぐっと押し止めた。
「体が覚えたら解放してやる。ちゃんと俺のだけでイけるようにな」
「ん、な…っむ、ムリッお尻おかし、なるッ」
「なれよ。最後まで面倒見てやるって言っただろ…っほら、」
「ふぁッ!あッ」
咽びなくような喘ぎ声を上げる雪の体を、背後から神田の腕が抱きしめる。
ぐちゅりと内壁を擦るように刺激を与えれば、腕の中の赤く染まった体は跳ねた。