第2章 ALWAWYS
聞き覚えのない声。
でも、どこか懐かしい。
「誰、なの?」
「邪魔が入った…」
視線の先にいる青年。
(やっぱり、見覚えがある…誰だろう)
「サフィ?…だよな、ハハ……」
「!!!」
瞬間、思い出される記憶の欠片。
幼き日々の…。
(…エース)
「ひ、人違いよ…」
サファイアはカイルの手が緩んだすきに、逃げ出した。
「あーぁ、ま、今度でいいや」
カイルも消えていった。
「なんで…どうして?」
サファイアはエースから逃げた。
自分を赦してくれるはずがないのだ。
あのとき、彼らを信用せずに、切り捨てたのだから。
「忘れたかったのに」
楽しい日々があったから、
掛け替えのない存在があったから、
自分は自由を失くしてしまった。
あの”さよなら”は、嘘だったの?