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MOON LIGHT

第2章 ALWAWYS


「もう、限界ね…そろそろ出てきたら?」
「なーんだ、分かってたんだ」
「…私をナメてる?」
「いや?ただ、憎いなと、」


サファイアの瞳は、氷のように冷たい。
だが、その奥に、溶岩のようにドロドロになった熱い恨みがある。

―この男のせいで―


「憎い?…それは私のセリフよ……」
「へェ、じゃ、殺せるかい?」
「…あんたのせいで、私は変わってしまったのよ」


サファイアはカイルという男の目を見つめた。
いつもなら、自分が相手の脳を”ハッキング”する。
だが、今日は逆だった。


「…なん、で」
「ナメてんのは君の方。俺が誰だか忘れた?」
「そうじゃ、ない…あんたにこんな力……」
「なかったよ。でも、今は今さ」


身体が勝手に動き出す。
そして、カイルの前に跪いた。
屈辱だった。


「だーかーらぁ、君は俺の所有物だって言ったの、忘れた?」
「だれがッ…」


カイルがサファイアの髪を引っ張った。
そして、顎を持ち上げられた。


「絶対服従、でしょ?」
「…死ね」


次の瞬間、肩に痛みが走った。
カイルの手には、血の付いた短刀。
気味が悪く、その血を舐めている。


「俺に服従が誓えないんだったら、死ぬ?」
「…殺せ」
「モッタイナイ、でも、君が選んだんだからね」


首に、ヒヤリとした鉄が押し当てられた。
すぐ傍に死を感じたその時。


「ん?サフィか?」
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