第2章 ALWAWYS
遠い過去。
彼女が”情報”に取り憑かれる前。
まだ、幸せを感じられたころ。
「エース?」
「おう!あれ?ルフィは?」
「うん、今来るよ」
3人の、兄弟と毎日を過ごしていた。
出会いから、共にいた日は儚かったと思う。
別れが、あんなに残酷だったから。
「さぁ、行きましょう」
「もし…嫌だと言ったら?」
「彼らはこの世から消えるでしょう」
「…ッ」
まだ、10にも満たない子供に、判断はできない。
従うことでしか、守れない。
「分かった…」
「ヤメロ!!!サファイアを連れてくな!!!!」
「フフッ、ありがと。さよなら」
普通なら、泣きじゃくって悲しむ別れも、彼女は分かっていたかのように落ち着き払っていた。
「待て!!」
「頼む、サフィを連れて行かないでくれ…」
「行くなよ!!」
「さよならって言ったでしょう?だからお別れなの」
冷たく言い払われて、3人は傷ついたように顔を歪めた。
そして数人の大人について行くサファイアを見て、立ち尽くしていた。
サファイアは、今でも覚えている。
3人の、悲しそうな顔を。