第2章 ALWAWYS
血飛沫と共に、倒れる人間。
サファイアの顔は、残酷なほど冷たかった。
頬に付いた返り血を、袖で拭った。
「また、やっちゃった…」
寂しそうに呟くと、歩き去ろうと向きを変えた。
何度目だろう。
自分が狙われる理由も、分かる。
それでも心は穏やかだった。
「そろそろ、頃合いかな……」
彼女は気付かない。
陰に潜む、黒い闇に…。
「…勘違いしてるよ、サフィ」
まだ若い、男が楽しそうに微笑んでいた。
そして、クス…、と笑った。
嘲るような笑いだった。
「さぁ、俺の出番かな?」
サファイアの遮断された感覚に、一本の黒い線が伸びる。
「サフィを救えるオウジサマはいるのカナ?」