第2章 ALWAWYS
「ゴメン…」
サファイアは顔を逸らした。
申し訳なさそうに陰っている。
「え?何で…てか、何が起きたんだ?」
「知らない方がいいよ…本当にゴメン」
「謝ることはないけど…」
彼女は顔を上げなかった。
そっと手を差し出すと首を振った。
「私と目を合わせたり、私に触ったりしない方がいいよ」
「…何でだ?」
「酷い目みるよ」
脅すように言われて手を引いた。
彼女は笑っていない。
少なくとも、心からは。
彼女を取り巻く空気が、緊張に走っている。
「…怖がっているのか?」
「言ったでしょ、海賊が怖いって」
「あぁ」
嘘で嘘を隠すなんてしたくない。
連鎖が続いてしまう。
お願い、私を思い出さないでいて。
忘れて、そして忘れさせて。