第14章 Dear my doctor
櫻井side
相葉くんの言葉に顔をあげた俺の視界に映るのはいつもの暖かい笑顔。
背中に回された手の暖かさと共に心に体に沁みる。
「ごめん…ごめんね…。
俺、自分のことしか考えられなくて
皆に心配かけて…更に傷つけたんだね…?
もうさ、ほんとわからないんだ。
どうしたらいいか。
この3日、ずっと考えた。
もう、局と事務所の間では決まった話で
俺がどんなに足掻いてもどうにもならなくて…。
でも俺、皆の番組が無くなるの嫌なんだ。
俺一人で持つなんて…。
ねぇなんで俺なの?なんで5人じゃダメなの?
なんで…?ねぇなんで…?」
相葉くんにこんなこと言ったって答えが出ないことは判ってるのに。
相葉くんだって困惑してるのも判ってるのに…止まらない。
駄々っ子みたいに『なんで』を繰り返す。
得られぬ答えを求めてしまう。
相葉くんが困った顔をしながらでも真剣に考えてる。
A:「どうしてなんだろうね?
5人の番組が終わるのはやっぱり辛いね。
でもさ、翔ちゃんが残ってくれるんだよね?
嵐のメンバーの番組として枠が残るんだよ?
それだけでもスゴいことじゃない?
翔ちゃんは枠を守るために指名されたんじゃない?
局がどう思ってるかは解らないけど…。
少なくとも、事務所はそう判断したんじゃないかな?
まぁ、想像だけどね?
あの枠を守るのに今のメンバーの中では翔ちゃんが適任だった。
だから指名されたんじゃないの?
翔ちゃんならきっといつか、5人がいいって
認めさせられると判断されたんじゃないかな?」