第14章 Dear my doctor
相葉side
俺はそういう意味ではメンバーの中では中間。
ニュートラル。
俺自身も翔ちゃんと一緒、甘え下手なのは分かってる。
でも俺はメンバー内ではお兄ちゃんにも弟にもなれるポジションだから…。
翔ちゃん程キツくはない。
構われることも多いしそれを受け入れられる。
逆にお世話するのも好きなんだろうな。
自然に身に付いたというか…。
【誰かに何かをする】っていうのが好きなのか、ありがとうの一言を求めてるというか…。
気がつけば上手く甘えられずに頑張りすぎて…。
よくニノたちに言われる。
『無理して笑うな、ひとりで抱え込むな』って…。
でもさ、解っててもやっちゃうんだよね。
翔ちゃんも今、きっとそんな感じだと思う。
打ち切りのショックや悔しさ、自分だけ残る事への罪悪感と責任とか、プレッシャー…、そして認められた喜びとか色んな感情でいっぱいだけどそれを上手く吐き出せずに自分を傷つけてるんだよな。
そんな自分を許せずに気力だけで立ってる。
そんな翔ちゃんを解放してあげたいって思う俺はやっぱり長男なんだなって思ったりもする。
ドラマの小道具の聴診器。
ちょっとでも慣れたくて、最近は常に手元に置いてる。
席を移動して翔ちゃんの前に座った。
泣きそうな疲れた顔をした翔ちゃん。
不安を少しでもぬぐい去りたくて…微笑む。
「翔ちゃん?」
声をかけると俺の方に視線を動かした。