第14章 Dear my doctor
櫻井side
生放送がおわって、流れで始まったミーティングも終わって…。
緊張感から開放された。
と同時に例のことが頭に浮かぶ。
とにかく楽屋に帰って少し落ち着こうと思ったら…。
あり得ない光景に動揺した。
相葉くんはいつものようににこにこしながら俺の楽屋で雑誌を読んでた。
俺の『なぜいるのか?』という当たり前の疑問はスルーされてる。
動けなくなった俺にいつもの調子で声をかけてくる。
次々と浮かんでは消える疑問。
その疑問を口にすることも出来ないまま、相葉くんのペースに乗せられる。
気がつけば着替える俺の横にモデルのように整った姿で雑誌を捲る相葉くんがいる、という不可思議な状態になっていた。
相葉くんにメイクのことをつっこまれる。
『メイクさん、新人さん?』ってそんなわけないの知ってるくせに…。
ここに相葉くんがいるってことは…既に知ってるんだよね?
打ちきりの件…。
着替え終わりそのまま考えてると視線を感じた。
この部屋で俺に視線を送れるのは当然相葉くんだけ。
俺もつられるように視線を向ける。
目があった瞬間ニッコリと笑う相葉くん。
この笑顔、ほんと太陽みたいだよなぁ。
なんかホッとする。
例の話は避けたいから…今日の収録の話をするわけにもいかず…別の話題を振る。
「相葉くん、ドラマ、撮影入ったの?
たしか医療ものでしょ?どんな感じ?」
敢えて明るく聞いてみた。