第14章 Dear my doctor
相葉side
S:「??相葉くん?なんでこんなところにいるの??」
かなりテンパってる?
ドアノブに手を掛けたまま固まってる。
「翔ちゃん何してるの?とりあえず入ったら?」
ドアが開いたままじゃ話も出来ないしね?
S:「あっうん…」
翔ちゃんが後ろ手にドアを閉めて楽屋に入ってきた。
ドアを閉めたはいいけどそのまま動かない翔ちゃん。
鏡越しに交わした視線を直接合わせる。
「翔ちゃん、そんなところに立ってないでとりあえず座ったら?」
空いてる椅子の背を引きながら声をかける。
「それとも先に着替える?それ衣装でしょ?」
と今度はスーツを目で指しながら聞く。
顔に戸惑いが浮かぶのがみえる。
「あっ、着替え見る趣味は無いから着替えるなら声かけてね?」
ちょっとおちゃらけながら言ってみる。
S:「あっうん、とりあえず着替えるから
…出てくれる?」
「いいよ、ここで雑誌見てるから。
終わったら声かけて」
俺はなんでもない顔で答え、手元の雑誌に目を落とした。
翔ちゃんは諦めたのか着替え始めた。
俺は雑誌を見たまま、翔ちゃんに話しかける。
「ねー、今日、メイク濃くない?
メイクさん、季節外れの新人さん?」
S:「え?そう?」
明らかに動揺した声で返事する翔ちゃん。
「うん。村尾さんたちなんか言ってなかった?」
S:「いや、別に…」
つっこまれたくないのか、短い返答をする翔ちゃん。
さて…どこから切りだそうかな?