第13章 Childhood's end
二宮side
智Presentsの鰤しゃぶはほんと旨くて
けっこうな量だったのに
全部、みんなのお腹に入ってしまった。
しゃぶしゃぶだけじゃなく
そのまま食べても旨い鰤は
日本酒にぴったりでお酒もすすむ。
食べ終わる頃にはみんなほろ酔いだった。
とはいえ、このままみんなで
酔っ払う訳にもいかず…
俺から話を切り出した。
智さんの方を向いて話し始める。
「あのさ、さっきはほんとごめんなさい。
あのあと、翔さんからアドバイスも
もらって色々考えました」
O:「うん」
「翔さんから【妥協点】はないのって
言われまして…」
智さんは優しい目で頷きながら
聞いてくれてた。
「なんかよくわからないけど、
すごく気持ちがモヤモヤしてるんです。
でも自分じゃこのモヤモヤの正体も
理由もわからないんです。
だからあの時
『いやだ』としか言えなくて…」
みんな黙って聴いてくれてる。
まーくんが先を促すように視線を寄越す。
「この歳でこんなこと言うのは
おかしいかもしれないけど…
一緒に来てくれませんか?」
A:「え?みんなで?」
M:「いや、それは無いっしょ?」
S:「で、和は誰に一緒に行って欲しいの?」
まーくんの一言を軽くスルーしつつ
聞いてくる。
「智さんに来てもらえると…」
O:「え?おいら?」
「はい」
O:「でも…そういうの
翔ちゃんのほうが向いてない?」
「でも…あなたがいいんです」
S:「智くん、行ってあげなよ。
東山さんにどのみち連絡しなくちゃ
いけないんでしょ?
その状況で俺が行くより
智くんの方が自然じゃん?」
翔さんが助け船を出してくれた。