第13章 Childhood's end
大野side
しばらくして携帯が鳴った。
ディスプレイに映る《松本 潤》の文字。
通話ボタンを押し電話に出る。
M:「もしもし?智くん?」
「潤くん、どうしたの?」
M:「『どうしたの?』って。
今さ、智くんのマンションの近くまで
来てるの。
まーに聞いた。
マンションにいるんでしょ?
車だから一緒に帰らない?
荷物、多いでしょ?」
「それ、助かる!魚、準備出来てるし」
M:「じゃ、あと5分ぐらいね。
駐車場、いつものところ停めて
大丈夫でしょ?」
「うん、大丈夫。
パーキングカード、持ってる?」
M:「財布に入れてるから大丈夫。
じゃあとでね」
携帯が切れるのと同時に、
アトリエを簡単に片付けて
コーヒーメーカーをセットする。
部屋にコーヒーの香りが漂い始めた頃、
潤くんが入ってきた。
M:「お、いい香り」
「いらっしゃい、ちょうど淹れたところ。
ブラックで良かったよね?」
マグにコーヒーを注ぎ、潤くんに渡す。
M:「ありがとう」
「今日はどこ行ってたの?」
M:「旬くんのところ。斗真も一緒だったの。
みんなから預かってた出産祝い、
渡してきたよ」
「ありがとう。
ねぇ赤ちゃん、可愛かった?」
M:「うん。
小さくてさ抱っことか
スゴいドキドキしたよ。
旬の顔が父親って感じで新鮮だった」
にこにこ笑いながら話す潤くんの顔、
すごく可愛くみえた。