• テキストサイズ

しあわせはここにある【気象系BL小説】

第13章 Childhood's end


大野side


マンションに着くとしばらくして
インターフォンが鳴って、
クール便で白いでっかい箱が届いた。


あらかじめ話をしておいた板前の友だちに
電話してマンションに来てもらう。

さすがにこの鰤を捌くのはキツいから
ここは本職の手を借りることにした。

本職の手に掛かると立派な鰤も
あっという間に食材になる。


友:「大ちゃん、
   全部鰤シャブ用にするのは
   いくらなんでも多すぎるから一部、
   刺身用の柵にしといたよ」


「ありがとう!さすがの気遣い、感謝だね」


友:「どういたしまして。
   あらの部分どうする?

   これだけ新鮮なら
   大根と炊いても美味しいし、
   潮汁とかもいいと思うけど…」


「聞く分にはすごく美味しそうなんだけど…
 おいらが作るには 
 かなりハードルが高いや。

 良かったら持っていかない?
 刺身用もさ、持ってって、
 みんなで食べてよ」


友:「いいの?嬉しいけど悪くない?」


「構わないよ!
 こっちこそ忙しいのに
 来てもらってありがとう。

 お礼の用意もなくてごめんね?」


友:「そんなのいいって。
   また食べに来てよ!

   あっそうだ、渡すの忘れてた!

   前に大ちゃんが『おいしい』って
   誉めてくれた煮付け、
   持ってきたから良かったら食べて」


「ありがとう、すごい嬉しい!」


友:「じゃ俺、店に戻るわ。
   これ、遠慮なく貰っていくね!」


友だちをエントランスまで送って
部屋に戻る。

持ってきてくれたタッパーの中身を摘まむ。


「ん、うまー」


みんなにも食べてもらおうと思って
鰤と一緒に忘れないように纏める。

一息つくとさっきのニノの件が頭に浮かぶ。

頭を整理したくてアトリエに篭った。



/ 1081ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp