第13章 Childhood's end
二宮side
S:「ここにいたんだ?」
そう言って翔さんがトレイを片手に
入ってきた。
S:「ん?どうした?
すごい驚いた顔してるよ?」
俺の顔を見ながら翔さんが言う。
「いや、突然開いたから…」
S:「そっかぁ。驚かせてごめんね?」
翔さんは柔らかく笑ってそう言った。
翔さんは持ってたトレイを
ソファーの傍のローテーブルに置いて
L字型のソファーの俺が座ってる場所と
角を挟んだ対面に座った。
黙りこむ俺の前に、翔さんは黙って
トレイの上のマグカップと皿を置いた。
コーヒーとモナカの取り合わせに
不思議な顔をしたんだろうなぁ…。
翔さんが笑いながら言う。
S:「相葉くんの実家から送られて来た
モナカだって。
コーヒーとって取り合わせが
凄いでしょ?
でもね、さっき食べたけど、
意外に合うの。
だまされたと思って食べてみ」
「はぁ…」
気の抜けた返事をした俺。
翔さんも自分のマグを持って
コーヒーをすする。
沈黙に耐えきれなくなって…。
「翔さん?お説教しに来たの?」
S:「説教?なんで?
ニノ、なんか俺にお説教されなくちゃ
いけないことでもあるの?」
「いや…あの…」
口ごもる俺に翔さんが続ける。
S:「あぁ…さっきのリビングの件?
あれなら智くんとの間のことでしょ?
俺が口を挟むことじゃないと思うけど?
でも…もし悩んでたりとかあるなら
聞くよ?」
翔さんの優しい目が俺に向けられた。