第2章 出会い
無意識に歯を食いしばる。
「それ、どうしても言わなきゃ駄目ですか」
いつの間にか自分もアプリと思われる人物と話していた。
だってこんなに綺麗に対話が成立するんだから、仕方ない。
その時の僕は相手がアプリらしい事なんて頭になかったしね。
「ん~どうしてもって訳じゃないですけど...じゃあ、質問を変えますね!最近、というか8月15日に誰かと一緒に危険な目に遭いませんでしたか?」
「な、んでそれを!?」
「ふむふむ、じゃあその後から何か変なことが起こったりしてませんか?」
「......変なことありました。万引きを見つけてしまって、そんな事が昔から多くてその時も目を背けました。けど、僕がレジに向かおうとしたら、万引きしようとしてた人は普通にレジに並んでいたんです。」
「うーん、でもそれは、そういう手口かも知れませんね~」
「いや、その人のかごの中に盗ろうとしていた商品がちゃんと入ってたんだよ」
「......わかりました。やっぱり能力ありそうですね!アジトに連れていきましょう!」
は?アジト?
「わかった......」
「大丈夫です!悪いようにはしません!!さっきのナンパ男とは違います!」
とは言うけど、男2人に謎のアプリ。
信じられる訳がない。