第6章 松野家にご招待!
【絵菜side】
みんなとトランプで遊んだ後、私は夕飯をご馳走になり、談笑すること二時間。
時刻はあっという間に夜8時を回っており、さすがにこれ以上長居するわけにはいかないと、私は家に帰ることにした。
みんなは「まだいてくれてもいいのに」と別れを惜しんでくれたけれど、どうせ銭湯に行かなきゃいけないからと、途中まで送ってくれることに。
お父様とお母様にはなぜかものすごく気に入られてしまい、「絶対にまた来てね」と涙目で約束されてしまった。
挨拶をしてから、みんなと松野家を後にする。
銭湯へ着くと、みんなは入り口で改めて私を見送ってくれた。
「絵菜ちゃん、本当に家まで送らなくて大丈夫なの?」
「うん、ここからなら家もだいぶ近いから」
「そうか…しかしいつどこで狼が現れるか分からない。もしよければこの俺だけでも君を守るナイトとしt
「気を付けてね。あ、無事に家に着いたらMINEに連絡ちょうだい?その方が僕らも安心できるからさ」
「うん、そうするね」
「カラ松兄さん、なんか言ってなかったー?」
「い、いや…何も」
「…無視されてやんの」
「今日はすげー楽しかったよ!また会おうな、絵菜ちゃん!」
「こちらこそ、本当にありがとう!また遊ぼうね!」
笑顔のみんなに大きく手を振って、私はどこか満ち足りた気持ちで帰路につく。
久しぶりに、幸せな時間を過ごせた気がする。こっちに来てから地元の友達ともあまり連絡を取っていないし、ひたすら職探しの日々だったし。
時々、会えたらいいな。ううん、会いたい。
約束もしたし、友達なんだもん。
…でもまずは、4日後の面接が先だよね!次こそ絶対に成功させるんだから!