第2章 出会い
【絵菜side】
「…はぁ。やっぱりだめだったか…」
夜。私は大通りをとぼとぼと歩きながら、今日何度目かのため息をついた。
私―笹倉 絵菜は、絶賛就活中の独身女性。今年で23歳になる。
大学を卒業してから事務の仕事に就いたものの、1ヶ月で会社がまさかの倒産。即職なしになった私は、以来様々な職業の面接を受けてきたものの、どれもあえなく失敗。理由は…なんでなのか自分でも分からない。やる気はあるのになぁ…。
今日も目をつけていた企業の面接を受けに行ってきたのだが、ものの見事に玉砕した。
ため息しか出ないよ、本当…。
「…いい加減、定職に就かないと。もう形振り構ってられないよね」
ぶつぶつと独り言を発しているのを気にも留めず、私は鞄の中からスマホを取り出して、いつも見ている就活サイトを閲覧し始めた。