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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第24章 宝物は君だけ【十四松END】





「…ん…?」


目を開ける。どうやら私はソファに座りながらうたた寝をしてしまっていたらしい。


ここ最近あまりゆっくり休めてないもんな…うぅ、まだ眠い…


今は…午後4時か。暗くなる前に買い物に行かないと。


重い腰を上げて、服を着替える。


「ルル、買い物に行ってくるから、いい子で待っててね」


玄関まで見送りに来てくれたルルの頭を軽く撫でて、私は外に出た。


んー、いい天気。そうだ、まだ時間はあるし、ちょっと遠回りしていこうかな。






前に一松くんと十四松くんに教えてもらった河原にやってくる。ジョギングをする人や犬の散歩をする人がちらほら。


心地よい風が頬を撫でる。川の水も太陽の光を受けてきらきらと輝いていた。


綺麗だなぁ…あ、向こうで釣りをしている人もいる。こっちには素振りしている人も…


……素振り?


「5098っ!5099っ!5100っ!」


川のすぐ側で、謎の数字をカウントしながら熱心にバットを振る、野球のユニフォーム姿の男性が目に入る。


…もしかしなくとも、あれは…


「…5117っ!5118っ!5119っ!」


「あ、あのー…十四松くん?」


「5120っ!5121っ!5122っ!」


土手を降り、彼の近くまで来て声をかけるも、全く耳に入っていないのか素振りをやめてくれない。


し、仕方ない、もっと大きな声で…!


「十四松くん!」


「ごせんひゃく……あれ?誰か僕のこと呼んだ?」


やっと止めてくれた…キョロキョロと辺りを見回す十四松くんの肩をポンと叩く。


「こっちだよ、十四松くん。私のこと覚えてる?」


「え?…!!絵菜!絵菜だ!」


ぱぁっと嬉しそうな満面の笑みを浮かべる十四松くん。この笑顔を見るのもかなり久々だ。


「ふふ、よかった、覚えててくれたんだね。随分ご無沙汰だったから、忘れられてたらどうしようって心配だったの」


「忘れるわけないよ!だって僕、絵菜のこと大好きだもん!」


「っえ…?」


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