第5章 早くも再会
【絵菜side】
6つ子のみんなと出会ったあの日から、3日が過ぎた。
今日はハローワークに行って、改めて今後の相談をしてついさっき帰ってきたのだけど…次に目星をつけた企業がだめだったら、大人しくフリーターになろうかな…いやいや、まだ諦めるには早すぎるよね!頑張らないと!そう自分に言い聞かせ、拳をぎゅっと握りしめる。
「にゃー?」
ソファに座っている私の太ももの上にいるルルが、不思議そうに鳴き見上げてくる。可愛いなぁ、もう。
自宅での唯一の癒しの時間を満喫していると、テーブルに放り投げてあったスマホが震えていることに気付いた。
手に取って画面を見ると、知らない番号からの着信。…誰だろう?携帯番号みたいだけど。
基本的に居留守とかはしないタイプなので、迷わず電話に出る。
「はい、笹倉です」
…ところが、なぜか相手は無言。通話は切れていない。…聞こえていないのかな?
「あの、もしもし?どちら様で
プツンッ…ツーツーツー…
……き、切れた。なんだか怖いんですけど……間違い電話だったのかな?
「って、もう8時!早く行かないと銭湯閉まっちゃう!」
いつも銭湯には朝行くのだけれど、今日は用事があったため行きそびれていたことを思い出し、急いで支度をする。
「じゃあルル、いい子でお留守番しててね!」
「にゃあ〜」
玄関で私を見送ってくれるルルに手を振り、私は小走りで近くの銭湯に向かった。