第22章 恋い焦がれたその先に【チョロ松END】
アパートの前まで来ると、チョロ松くんは繋いでいた手を離した。
「ちゃんと布団に入って、暖かくして寝るんだよ。いいね」
「はい…」
「じゃあ僕、買い物に行ってくるよ。何買ってくればいいかな?」
「え…?そんな、悪いよ」
「ああ、心配しないで。僕、ちょうど用事が終わったところだからさ。…お節介かもしれないけど、君の看病をしたいんだ。一人暮らしじゃ家事もあってなかなか休めないだろうし、僕でよかったらなんだけど…いいかな?」
チョロ松くんが、私を看病してくれる…?
不謹慎かもしれないけど…助かるし、嬉しい…
「……ありがとう。お言葉に甘えてもいい?」
「もちろん」
にこっと笑うチョロ松くん。そんな彼を見て、熱とは違う、ほんのりと温かい感情が胸に宿るのを感じた。
「あ、えっと…これ、一応買う予定だったもののリストなんだけど…」
私はポケットからメモを取り出し、チョロ松くんに手渡す。
「分かった。じゃあ行ってくるね」
「お願いします…鍵開けて待ってるね」
「うん」
彼を見送ってから自室に戻り、布団を敷いて横になる。
チョロ松くん、優しいな…私のために、ここまでしてくれるなんて。
思えば彼には助けてもらってばかりだ。あの時だって、カラ松くんと一緒に私をあいつから救い出してくれた。
迷い、悩む私に、前に進む勇気をくれた。
なのに私は、未だ彼に何も返せてない。デートはしたけど、今回のことも含めて、私はチョロ松くんにちゃんとした恩返しがしたいんだ。
もらってばかりは嫌。私にできることで、何かあればいいのに…
考えているうちに、意識が遠退いていく。彼が戻ってきてくれるまで、眠っていよう…