第21章 君の瞳に映るのは【カラ松END】
【絵菜side】
ある昼下がり。仕事が休みだった私は、少し遠出をして都内でも有数の繁華街にやってきていた。
仕事にも慣れてきて、いろいろ心の余裕もできてきたからか、最近はよく一人で外出することが多くなった。
といっても、大抵は商品を眺めるだけで、購入までは踏み切れないのだけれど。
食費もかなりケチってるし、光熱費も節約してるのに、こんなところで贅沢なんてしていられないよね。
でも、眺めているだけでも十分楽しい。気分もリフレッシュできるし、なんだか観光しているみたいで新鮮だし。
…あれ。
前方にあるレストランから、一組の男女が出てくる。
革ジャン姿の男性は、私のよく知っている人物だった。
「…カラ松くん…?」
あんな高級そうなレストランに、あんな綺麗な人と一緒に…恋人、なのかな。
ズキッと、胸が痛む。なんでこんなに苦しい気持ちになるんだろう。カラ松くんは友達なんだから、恋人がいたって私が気にすることじゃないのに。
…戻ろう。なんだか見たくないや…
「絵菜?」
「ひゃ!」