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【おそ松さん】本気の恋と、6つ子と、私。

第18章 運命の人





【絵菜side】



デート最終日から1週間経ったある日。


あの男が、私の家に謝りに来た。彼の兄と一緒に。


数日前にスマホに連絡があって、あいつがお兄さんの説得で警察から解放されたことは知っていた。


念のためドアにチェーンをつけて半開きで会話していたのだけれど、あいつはともかくお兄さんの方が涙ながらに謝罪をしてきて、こっちがいたたまれなくなってしまった。


お兄さんのことは、あまりよく知らない。あいつと血が繋がっているというだけで疑いの目を向けてしまう。


でも、カラ松くんが以前、この人は信頼できると言っていた。だから私は、この人自身ではなく、カラ松くんを信じることにした。


話によれば、お兄さんはこの後すぐ日本を発つらしい。なんでも語学留学だとか。それにあいつも連れていくと。


同じ日本のどこかよりは、海外に行ってくれたほうが安心はできる。


最後に、私と私の家族、店には二度と関わらないことを堅く誓って、二人は私の前から姿を消した―。






それから、さらに1週間。


不安だった仕事にも少しずつ慣れてきて、朝から晩まで職務に明け暮れる日々。


たまに母に電話をして、互いの近況を報告し合う。結局給料日まで待てなくて、働き始めたことを明かすと母は喜んでくれた。


でも父はまだ口を聞いてくれないようで、問題が全て解決したわけじゃない。


…まぁ、頑固なのは昔からだし、あいつの件が全て丸く収まったのも母を通して聞いているはずだから、時間をかけてゆっくり関係を戻せていけたらいいかな。


逆を言えば、意固地になってる間はお店をどうこうするつもりもないだろうし。…ほんと、めんどくさいお父さんだ。そのうち、里帰りできたらいいんだけど。


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