第17章 甘い時間と僕の願い【トド松】
【トド松side】
松野トド松、人生最大のピンチ。
「うーん…うーーん……」
「なに唸ってんだよトッティ。今日お前デートの日だろ?支度しなくていいの?」
「黙って。僕今真剣に悩んでるから」
おそ松兄さんがぶーぶーと口を尖らせる。でも無視無視。
はぁ、どうしよ…選考方法があみだくじだったから文句は言えないけど、なんで僕が最後なわけ?不利じゃん!ただでさえ末弟というだけで不憫な扱いを受けてきた僕だよ?もうこれどうしようもないよね?
おそ松兄さんは水族館、十四松兄さんはアウトドアコース、カラ松兄さんはショッピングからのギターフィニッシュ、一松兄さんは猫カフェからの相合い傘、チョロ松兄さんは映画館って!
フルラインナップ!なすすべなし!あああああっ!!
「…なぁ、トッティなんかすげー壊れてんだけど。あれ放っといていいのかチョロ松?」
「僕に聞かれてもな…」
どーするどーするどーする男トド松!!いやあるよ?デートスポットなんてまだあるといえばあるけど、海とか?夜景が見えるレストランとか?スカイ○リーとか?重いよ!付き合ってないのにデートという名目だからって調子に乗ってそんなとこ連れてったらドン引きされるよ!それを言うなら愚兄どものチョイスもなかなかにドン引きものだけどね僕からすれば!一体全体どーすればぁぁァァッ!!!
ガンガンガンガンッ!!
「…十四松、トッティが床に頭打ち付けて出血多量で死にそうなんだけど」
「スタバァの時も生きてたから大丈夫だと思うよー!」
「それもそうか」
…いや、待てよ?何もデートって一緒に外出するだけじゃないよね?世の中には¨お家デート¨というものも存在するし、要は二人で過ごせれば万々歳なわけで…
「これだあぁっ!!!」
「「「「「!!?」」」」」