第7章 接触
大倉母「急に帰ってくるなんて珍しいくない??」
大倉「たまには実家でゆっくりしたいねん」
大倉母「そう??(笑)」
仕事が早く終わったのでバイクを走らせて実家へと帰ってきた。なんと言われても連休中は帰らないと決めてん。
ちょうど夕食前には家に着いたから、夕ご飯の用意をしながら母さんが話しかけてきた。
大倉母「そう言えば前に同窓会あったんやないの??」
大倉「おん」
大倉母「行ったん??」
大倉「おん」
大倉母「みんな元気にしてた??」
大倉「おっさんになってたで??(笑)」
大倉母「そういう年齢になったってこと(笑)…そう言えば、ちゃん元気にしてた??」
大倉「なんで??」
大倉母「なんでって…高校の時からちゃんの話ししてたやん(笑)」
大倉「そうやっけ??…ご飯できたら呼んで」
大倉母「はーい(笑)」
無意識にちゃんの話しから逃れるために自分の部屋へと逃げた。
大倉母「あっ‼連休中こっちにいるんやったら、部屋整理してよ‼」
大倉「おん…」
渋々積まれている段ボールの中の1つを開けるとアルバムが出てきた。何気なく開いてみると大学卒業してからのだろうと思われる写真が挟まっていた。
大倉「……」
そのアルバムを見ていて違和感を覚えた。
どの写真にも笑顔のヤス、風月ちゃん、ちゃん、俺が写っていたが、俺とちゃんの薬指にはお揃いだろう指輪が写っている。
大倉「…??」
その中にある1枚の写真に目がとまった。
俺の手には緑色、ちゃんの手には白色のガラス細工を持って2人が寄り添っている写真やった。
ふいに段ボールに目を向けると写真に写ってる物と同じものが片隅に収まっていた。
それを手に取り記憶を取り戻そうと考えていると手が滑ってしまった。
パリンッ
それとほぼ同時にスマホが震えた。画面にはヤスからの着信が表示されていた。