第6章 忍び寄る魔の手
自分ではハイペースでこなしているつもりだったけど、次から次へと仕事がかさみ、結局、今日も1時間残業になってしまった。
いつも風月としょうちゃんと飲むときは2人を待たせてしまうから、申し訳ないんだよね…。
まあ、あの2人は時間になったら私のこと気にせずに始めちゃってるけど(苦笑)
自分の机を片付けてみんなに挨拶をし、ロッカーに向かいながら2人にLINEを送る。
【:遅くなってごめんね。今から着替えて会社出ます‼】
【しょうちゃん:先に始めてるから、早く来てやー♪】
【風月:早くしないと酔っぱらっちゃう(笑)】
いやいや、自分達私が着いた頃にはだいぶ出来上がってるし。と突っ込みながら急いで会社を後にする。
??「さん??」
「えっ??」
ふいに声をかけられ振り向くとベンチに月歩が座っていた。
月歩「久しぶり」
「う…うん」
月歩「メール、見た??」
「メール??」
月歩「そう。忠義のことで話したいってメール」
「あれ、月歩が送ってたの??」
月歩「そう。返事くれないから、来たの」
「返事くれないからって…」
月歩「ここじゃあれだから…」
「えっ!?!?」
有無を言わさない雰囲気で月歩は私の腕を掴んで歩き始めた。
月歩の後ろをついていきながらこれから起こることに恐怖を感じ、私はポケットの中のスマホの通話ボタンを押した。