第6章 忍び寄る魔の手
あの日以来、月歩は俺の行動をよく気にするようになった。
特に、休みの次の日は何してたのか誰と会ったのか…。正直、彼女でもないのにとウンザリし始めてる。
今日も、昼ご飯を食べてスマホを見ながらゆっくりしてると月歩が声かけてきた。
月歩「忠義??」
大倉「どした??」
月歩「昨日休みだったでしょ??なにしての??」
大倉「昨日は、家でゴロゴロしとったけど…なんで??」
月歩「だったら、LINE見た??」
大倉「スマホ全然見てなかってん…ごめんなぁ」
月歩「忠義、最近冷たくない??」
大倉「普通やと思うけど…」
月歩「前は休みの日でも返事すぐ返してくれたし、こんなにそっけなくなかったし…」
大倉「学生ちゃうんやから、それなりに付き合いもあるし…それくらい分かるやろ??」
月歩「そうだけど…」
大倉「月歩にも友達がおるように、俺にもつるんでる友達おんねん。彼女とかおれへんから、そっちを優先するのは当たり前やろ??」
月歩「…分かった…。じゃあ、今日夜に付き合って??」
大倉「ごめん。明日から連休やから実家に帰んねん」
月歩「…分かった」
月歩は納得できないという顔をしながらも事務所に入っていった。
明日から連休やからヤスから気分転換しないかと誘われてたけど、そんな気分にはなれへん。
最近、自分の記憶を思い出す手がかりもなかなか見つからず、月歩も鬱陶しくなりそんな現実から逃げるために実家で過ごすことを決めていた。