第5章 不審なメール
いつもは俺から呼び出すところ、珍しくヤスから呼び出しがあった。しかもヤスの店。
あの飲み会からなんとなく会い辛くて連絡してなかってんけど、こう言うヤスの優しさに今まで何度救われてきたか…。
ヤスの店に着き扉を開けると、奥で作業しているヤスが声をかけてきた。
安田「もうちょっとで終わるから、その辺に座っててくれへん??」
大倉「おん(笑)」
壁にかけてあるギターを手に取りつま弾いていると、コーヒーを持ったヤスが近づいてきた。
安田「お待たせ~。休みの日にごめんなぁ??」
大倉「全然かまへんよ。特に予定も入ってへんかったし(笑)ヤスが呼び出すとか珍しいやん。…何かあった??」
安田「あ~…大倉、あれからちゃんと連絡とったりしてる??」
大倉「いや、全然…」
安田「そっかぁ(苦笑)」
大倉「そんなこと聞くために呼び出したん??」
安田「ちゃうよ。…ちゃん、最近困ってるみたいやで??」
大倉「何に??」
安田「大倉のことで話しがしたいっていうメールが毎日届くねんて」
大倉「は??」
安田「なあ、最近大倉の周りで何か変わったこととかあった??」
大倉「…イヤ、特には…」
安田「月歩ちゃんは??」
大倉「なんで月歩の名前が出てくるん??」
安田「だって、大倉に一番近くにおるんが月歩ちゃんやから…」
大倉「月歩がそんなことするわけないやんか。証拠もないのに犯人扱いすんなや‼」
安田「…せやな…ごめんなぁ」
大倉「そんなこと聞くために呼び出したん??」
安田「僕も風月ちゃんも、ちゃんのことが心配やねん…」
大倉「やからって月歩のことを悪く言うのは違うやろ??」
安田「せやなぁ…」
大倉「これ以上言うと、ヤスでも許さへんで??」
安田「ごめんて(苦笑)」
大倉「…俺、用事思い出したから帰るわ」
これ以上いるとまたケンカになりそうやったから、それを避けるために外に出ようとした俺の背中にヤスが慌てて声をかけてきた。
安田「あっ、大倉‼もし、自分の周りで何か変わったことあったら教えてな‼」
大倉「おん…」