第5章 不審なメール
4月に入り、忙しさもピークに達していた。
あの飲み会以来、ちょくちょくきていた忠義からの連絡はパタリとなくなってしまった。
その代わりに、しょうちゃんと風月から心配のメールが頻繁に届くようになった。
その原因は1通のメール。
相変わらずの残業が終わり、メールを開くと必ず届いている。そう、今日も…。
【4月○日 18:10
様
大倉忠義さんのことでお話ししたいことがあります。
お時間作れませんか??】
仕事で疲れてる体に更に追い討ちをかけるメール。
このメールを読むたびに気持ちが沈んでいくのが分かる。
「毎日飽きずに送ってくるけど…発信者は誰なんだろう(苦笑)」
家に着き色んな疲れからなにもする気にならずベッドにダイブすると同時にタイミングよく鳴るスマホ。
画面を見ることなく通話ボタンを押すとお馴染みの声が聞こえてくる。
~♪~♪
「はい…」
風月『相変わらず疲れた声してるね(笑)』
「残業続きなんですー(苦笑)」
風月『人気者はツラいねぇ(笑)』
「笑い事じゃないし‼」
風月『ゴメンゴメン(苦笑)…それより、相変わらずメールきてるの??』
「うん。毎日飽きることなくきてるよ(苦笑)もう、いい加減にしてほしい…」
風月『ねえ、しょうちゃんとも話したんだけど…あの送り主って月歩かもよ??』
「えっ??なんで??」
風月『高校の時からたつくんのこと好きだったし、今でも一番近くにいるでしょ??』
「…でも、関係なくない??」
風月『だってたつくん、なくなった記憶が戻るまでは誰とも付き合う気がないんでしょ??が関係してるって勘づいてるんじゃない??』
「だとしたら…直接会って話しするべき??」
風月『なんにも状況が分からないまま会うのは危険だから…しょうちゃんがたつくんに探り入れてくれるからちょっと待ってて』
「分かった…」
風月『とにかく、1人であんまり行動しないでよ‼』
「は~い…」