第4章 黒い影
『お疲れさまでしたー』
大倉「お疲れさまです」
大倉は家路につくためメットを被りながら用意してると、後ろから月歩が声をかけてきた。
月歩「お疲れさま」
大倉「お疲れ」
月歩「ねえ、今日泊まりに行ってもいい??」
大倉「今日って…今までそんなことないやろ??」
月歩「ねえ、いつになったら私と付き合ってくれるの??」
大倉「前から言ってるやろ??記憶が戻るまでは誰とも付き合わへんって」
月歩「思い出せなくてもいいじゃない‼私のこと見てよ‼」
大倉「…ごめん…」
月歩「ごめんってなに!?!?私じゃダメだってこと??」
大倉「ダメやない。ただ、分からない誰かと重ねてしまって月歩のことを悲しませるようになるって分かってるから付き合われへんねん…」
月歩「それでもかまわない。私は忠義の隣にいたいの‼」
大倉「男として、俺が許されへんねん」
月歩「でも、同じように断るの??」
大倉「えっ??」
月歩「が同じように言っても断るの??」
大倉「それは…」
月歩「高校の時もそうだったよね??私のときはハッキリ断るのに、の時はそうやって言葉を濁して…。…がいなくなれば私のこと見てくれる??」
大倉「月歩と付き合うかどうかにちゃんは関係ないやろ??」
月歩「関係なくない。いつも忠義の中で私はに勝てないんだね」
大倉「どういうことや…」
月歩「……」
月歩はそれ以上はなにも言わずに帰っていった。
大倉は何とも言えない胸騒ぎを感じたが、あの時のの態度を許すことができず、気づかない振りをして家へとバイクを走らせた。