第4章 黒い影
3人での飲み会をしてからの数日間は何をしてもモヤモヤが晴れず、工具をを荒々しく工具箱に片付けてるいると見るに見かねた上司が遠くから声をかける。
『大倉ー‼仕事道具は大切に扱えって言ってるだろー‼』
大倉「…すみません」
謝りながらもなおも態度を変えない大倉に全員が呆れた顔をしているとお昼を知らせるチャイムが鳴り、月歩が事務所からお茶をお盆に乗せ出てきた。
月歩「みなさん、休憩にしましょー‼」
月歩はみんなと少し離れた所に座る大倉にお茶の入ったコップを持って行き隣に腰をおろす。
月歩「忠義、どうしたの??ここ何日か荒れてるけど…」
大倉「や…そんなことないねんけど…」
月歩「そんなことあるよ。忠義、すぐに顔に出るんだから。何かあった??」
大倉「…なあ、月歩は俺のなくなった記憶のこと知ってるん??」
月歩「…ううん、私は…」
大倉「そっかぁ…(苦笑)」
月歩「どうして急に思い出そうとしてるの??」
大倉「急にではないねんけど…なあ、俺って誰かと付き合ったりしてたん??」
月歩「えっ…」
大倉「記憶はないねんけど、大切な人が隣にいた感じがするねん」
月歩「…それは、私じゃない??」
大倉「おん…月歩とは違う気がするねん…」
月歩「…」
大倉「えっ??」
月歩「ううん、なんにもないよ。私そろそろ戻るね」
少し慌てた様子で嵐は立ちあがり事務所へと入っていった。
そんな嵐を見送るとそのまま空を見つめ、ずっと引っ掛かってる思いを誰に言うわけでもなく呟いた。
大倉「やっぱり、俺の記憶にはちゃんが関係してるんや…」