第4章 君を知るには
「あ、あの子のお母さんは!?」
さっき怪物を見たときは、手にあの女性はいなかった。まさか食べられてしまったのだろうか。
「とりあえず探さなくちゃ!」
辺りを見回してもいないようだったので、別の場所に移った。怪物が来た道をもどってみたが、どこにも見当たらない。
(嘘...)
本当に食べられてしまったのかもしれない。約束したのに、守れなかった...。
私は下を向いて呆然と立ち尽くしていた。壊されて所々ヒビの入った地面がとても苦しそうに見える。
「私なんかには人を助けるなんて無理なんだ...。そうだよね、あの人じゃあるまいし、私は普通の人間だし...。」
あの人、鎌を持ったあの人は今頃どうしているのだろうか。怪物を倒したことを誇っているのだろうか。
(あの人が助けてくれてたらいいな)
もう、そう思う以外に落ち着く方法がなかった。