第3章 ベンハー×ベンハー鑑賞会
「つーか、ゴンまで観てたのかよこのアニメ」
「うん、見続けるとなかなかおもしろくてさ。でも眠い…」
「当たり前だろ、もう1時半だぜ!?」
さすが深夜アニメ。
10代にはとてもキツい時間帯だ。
相変わらず画面のなかではもずくがベチャベチャなってるし、マジで何が面白いんだコレ。
あー、TVの音が気になっての部屋なんか覗くんじゃなかった。
そんなことを思っていたら、がふいにこちらを向く。
「あ、そういえばキルアは主人公の技とか知らないよね?」
「知らないけど知りたくもない」
「知ってよそこは!!今から公式ガイドブック渡すから」
「公式ガイドブックとかあんの!?」
渡された本には"ベンハー×ベンハー公式ガイドブック"と書かれていた。
マジかよ、ホントにあったのかよこんな本。
隣を見るとキラキラした目で見つめてくるが…
つーか何で深夜なのにそんな元気なのお前。
「はぁ…(少し見てから返すか)」
パラッと、一枚ページをめくると主人公の紹介が書かれていた。
●主人公 : ベン=ブルーレット●
・○月△日生まれ、12歳
・身長155cm、体重60kg
●技●
・自慢のもずくで相手を叩き、アザをつくる"海のモクズ叩き"
・自慢のヌメヌメの髪の毛を振り乱し、相手の視界を奪う"ヌーメラカーテン"
「無理だっ」
「あ!ちょっとキルア最後まで見てよ~!!」
オレはの言葉をスルーして膝から崩れ落ちた。