第3章 ベンハー×ベンハー鑑賞会
え?何?こいつ本気でこのアニメおもしろいって見てんの?
それともオレがおかしいの?
「つーか主人公のファミリーネーム。ブルーレットってなんだよ。あれか?置くだけのやつか?トイレの水道に」
「は?何でそんなこと言うの!?ブルーレットは死んだベンのお父さんのファミリーネームなんだよ!?唯一の繋がりなんだよ!?何でそんなひどいこと言うの!?」
「えぇっ、何でオレ怒られてんの!?」
こいつマジで怒ってやがる!!
「あとベンの体重60kgって謎すぎるだろ」
「筋肉らしいよ」
「そんなムッキムキな同級生見たことねーよ!!」
あぁ、なんかもう疲れてきた。
時計を見るともうすぐ深夜の2時……そろそろアニメも終わるか。
「あぁ!ベンがんばって!!ゴン、ちゃんと見ててよ!!」
「んー…」
ゴンもう寝てんじゃん。
しばらく戦闘シーンが続くと、画面にエンディングが流れ始めた。
やっと終わりかよ、マジしんどかった。
「来週でこのアニメも終わりかぁ…深夜の楽しみがなくなっちゃうよ」
「寝ろよ」
切実に。
「もう部屋戻るわ。ゴンも寝てるし」
「あ、ほんとだ。ゴーン起きて~、ごめんね最後まで付き合わせて」
「うーん」
「ゴン、部屋戻るぞ」
ゴンの腕を肩にかついでドアに向かう。
やっと寝れる…
「おやすみゴンとキルア!また明日も見ようね!!」
「絶対見ねぇ!!」
バタン!とドアを閉めて部屋に戻った。
ベッドに入っても、しばらく眠れなかった。
「(あいつ、まだ起きてんのかな…)」
そんなことを頭によぎって、思わず頭をぶんぶん横にふるう。
何でオレ最近のことばっか考えてんだ。
「(もっと大事なことがあるだろ!!今考えるべきは…)」
と、考えると出てくるのは。
ああああ~っと頭を抱えるキルアであった。
これはちょうど、9月3日の深夜のお話。