第21章 松野たちの補習
私はおそ松くんに問題用紙と解答用紙を貸してしまったため、勉強道具を失った。そのため、ぼーっとしてテストが始まる時間を待っていると、
「ねー。松野ちゃんは何点だったのー?」
とおそ松くんが用紙を見ながら突然聞いてきた。私は恥ずかしさのあまり、
「返して!」
とおそ松くんから用紙を取り上げた。
「なんだよ!」
と反発するおそ松くん。私はむきになり、
「当たり前でしょ! ほっんと、デリカシーないんだから!」
と強く当たってしまった。水族館でのことといい……やはりおそ松くんはそういうところが直らないのかと毎度思ってしまう。その後、おそ松くんは自分がやったことを気づき、
「ごっ、ごめん……」
と謝ってきた。私は、
「もう慣れた」
と言ってからおそ松くんに用紙を返した。
(だってもうデリカシーないのは“アクシデント”の時から慣れてるし。そういうのはもう受け入れてるし)
だからこそのもう慣れた。
「そっ、そっか……」
おそ松くんはその慣れたという発言を理解したのか、これ以上は何も言わずに黒板の方へ向き直した。そしてその約1分後、科学の補習テストは始まった。